日本小児がん研究グループ(JCCG)などは、小児急性リンパ性白血病に関する国内の臨床試験を実施し、1,800人の患者が参加した結果をまとめました。
その結果、生存率が国際的にも最高水準となる標準治療の確立に成功したと発表しました。
JCCGは2024年12月で発足から10年を迎え、これまで研究のネットワークを着実に拡大してきたことが、国内最大規模となる今回の臨床試験の成果につながったとしています。
(※2024年12月25日 朝日新聞の記事を参考に要約しています。)

小児白血病治療の新たな一歩、再発リスクを考慮した治療法の確立へ

今回の研究結果は2024年11月に米国の臨床腫瘍学会誌に掲載されました。
急性リンパ性白血病は血液のがんの一種であり、特に子どもではB前駆細胞型が最も多く、年間約400人が発症するとされています。
かつては治療が困難な病でしたが、さまざまな治療法が開発されたことで、現在では5年生存率が90%以上にまで向上しました。
初回の治療によって、95%以上の患者が「寛解」と呼ばれる状態になり、ほとんどの白血病細胞が消失します。
しかし、わずかに残った細胞を完全に除去するためには、薬剤を用いた強力な治療が必要です。
しかし、治療が強力になるほど、将来的に心臓機能の低下や神経障害などの晩期合併症を引き起こすリスクも高まります。
一方で、治療の強度を下げると再発の危険性が増すため、患者ごとに再発リスクを評価し、再発と合併症の両方を抑える治療法の確立が求められていました。

再発リスクに応じた治療法の改良

JCCGは、東京大学や埼玉県立小児医療センターを中心とする研究グループとともに、2012年から2017年にかけて全国1,800人を対象とした臨床試験を実施しました。
この試験では、従来の「標準」「中間」「高」の3段階に分類される再発リスクの基準を改良し、最適な治療法を検証しました。
その結果、標準リスク群では抗がん剤の使用量を減らしても再発リスクが上がらないことが確認され、より負担の少ない治療が可能となりました。
また、高リスク群では、予防的な放射線照射を行わずに済むようになり、造血幹細胞移植が必要な患者の数も減少しました。
一方で、中間リスク群では、一部の抗がん剤治療を強化することで、再発を抑える効果が確認されました。

小児白血病治療の成果と今後の課題

合併症による死亡率を0.6%に抑えつつ、5年生存率は94.3%と、国際的にも最高水準の結果が得られました。
研究を主導した埼玉県立小児医療センター血液・腫瘍科の康勝好科長は、「患者にとって大きな負担となる造血幹細胞移植の実施数を全国的に減らすことができたのは、大きな成果だと考えています。
今後、世界の小児白血病治療の進展にも貢献できるのではないでしょうか」と述べています。
また、東京大学の加藤元博教授(小児科)は、「これまでの抗がん剤治療では、生存率のさらなる向上に限界がある可能性があります」と指摘し、現在、新たな治療法を検証する臨床試験に取り組んでいることを明らかにしました。

小児がん治療の全国ネットワーク確立へ。JCCG設立10年の歩み

今回の臨床試験には、全国144の医療機関が参加しました。
東京大学の加藤教授は「JCCGの設立により、日本全体で協力しながら治療の開発に取り組める体制が整いました」と、その意義を強調しています。
JCCGは2014年12月に設立されました。
小児がんの年間発症数は約2,500人と少なく、これまで地域ごとに研究が行われていましたが、全国規模のネットワークを構築することで、より迅速な研究が可能になりました。
現在、小児がんの研究に取り組む全国198の大学病院や総合病院が登録しています。
また、全国の患者データや細胞を集約し、診断の標準化を図るため、中央診断システムを導入。
さらに、ゲノム研究の推進に向けたバイオバンク事業にも取り組んでおり、これまでに血液腫瘍は約2万3,000人分、固形腫瘍は約1万1,000人分のデータが蓄積されています。
2024年11月4日には、JCCG設立10周年を記念する講演会が東京都中央区の聖路加国際大学で開催されました。
JCCG理事長である北海道大学の真部淳教授は、「小児がんの治療成績が向上し、約8割の患者が回復するようになりましたが、依然として治療が難しい2割の患者がいます。その方々のケアについても、JCCGで積極的に取り組んでいます」と語りました。

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