今シーズンは子供がかかりやすい感染症の流行が続いています。かねてから言われているインフルエンザは、学級閉鎖や休校も相次いでいる現状。
今シーズンは、アデノウイルスが原因で起こる「咽頭結膜熱」、溶連菌の一種である「A群溶血性レンサ球菌咽頭炎」が過去10年で最多の水準となっているそうです。
それに伴い、病児保育の需要も増していて、足りない状態が続いているとのことです。
(※2023年12月12日(火)朝日新聞朝刊を参考にしています)
特に「咽頭結膜熱」と「A群溶血性レンサ球菌咽頭炎」は多い
厚生労働省が発表した2023/11/27~12/3について、季節性インフルエンザの報告数は1医療機関あたり26.72人となっています。
そのため全国で休校や学級閉鎖が相次いでおり、その数は4,690施設に上ります。(2023年12月12日現在)
国立感染症研究所によると、2023/11/20~11/26、定点医療機関を受診した患者数について、1医療機関あたりの咽頭結膜熱が3.54人、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎が3.86人となっています。
これはこの10年で最も高い水準とのことです。
小児科には連日発熱した子供たちが来院する状態
小児科は非常に忙しい状態が続いており、新型コロナは減ったものの、インフルエンザがかなり増えている印象があるのだとか。さらに咽頭結膜熱などの患者も増えており、診断に苦慮しているとのことです。
病児保育施設も満員、就労に苦労する保護者
それにともない、病児保育の需要も増しており、満員の状態が続いているそうです。
どこの病児保育も定員が数人のところがほとんどであり、感染症ごとに部屋を分け看護師や保育士を配置する必要があるため、なかなか預かってもらえず、親はかなり就労に苦労している様子がうかがえます。
季節性インフルエンザ・咽頭結膜熱・A群溶血性レンサ球菌咽頭炎はいずれも飛沫感染や接触感染がメインのため、感染者との接触を避けることや、手洗いをマメに行うことが有効とされています。
長崎大学(小児科学)森内浩幸教授は「不急の受診は避けて基本的な対策をして」
元々病原体によって広がりやすい季節があるそうですが、人の生活習慣にも大きく影響するそうです。例えば、新学期が始まってから子供同士の接触が増えると、感染症は増える傾向にあるそうです。
コロナ禍を経てさまざまな感染症への集団免疫が薄れてきたのは事実。そのため1人でも感染者が出ると集団では広がりやすくなります。
完全に防ごうとすると子供らしい生活を奪ってしまう
感染症を完全に防ごうとすると、子供らしい生活に制限をしなければならなくなります。しかし何かしら対策を講じなければなりません。中にはRSウイルスのように乳児が感染すると重症化する恐ろしい感染症もあるからです。
まずは基本的な対策をし、子供の様子がいつもの風邪と変わらなければ、保護者は慌てずに対処することを心がけましょう。これも大人に必要な健康リテラシーとして身に付けておきましょう。
子供に何か症状があったら無理せずに休ませて
子供がいつもの様子と違ったら、まずは登園や登校を控えること。もちろん、保護者も仕事を休みにくいのは分かります。ですが、リモートで対応したりなど工夫をして、体調のすぐれない子供が集団の中に行かないように配慮することが大切なのかもしれません。