近年、2人に1人はがんになると言われています。子育て中にがんを宣告される人もいるでしょう。そんな時には子どもにどう伝えたらいいでしょうか。
専門家や当事者から意見を聞きました。
(※2024年2月5日(月)朝日新聞朝刊を参考にしています)
ある子ども-小学生の時に母親ががんに
母親の病気が分かった時は小学3年生。当時は直接知らされておらず、夜中にこっそりと両親の話を聞いて知ったとのこと。
その後「お母さんは脱毛症になった」と言われたそうです。それが抗がん剤の副作用であることは後になって知ったとのこと。
気付かないふりが苦しかった・・・
母親の手術跡やウイッグを気付かないふりをするのはとてもつらかったそうです。家族旅行で温泉に行ってもお風呂に入る時間をずらしたりしていたとのこと。
みんな同じような経験をしていた
大学で自らの経験を踏まえて研究を行っていたその方はは、インタビューで同じような思いをした人が多いことが分かったそうです。
本当は頼ってほしいのに仲間はずれにされた間隔を抱いてしまうとか。でも親の方もはっきりと病気を伝えるのは難しいことです。
年間56,000人の子どものいる親ががんにり患
18歳未満の子どもがいてがんと診断される人は年間で56,000人、その子どもは87,000人いると推計されています。
そのうち69%が子どもにがんであることを伝えており、約57%が子どもへの病気の説明や支援が必要、と考えているそうです。
情報+ケアで安心感を
専門家は、子ども目線で必要な情報を伝え、しっかりとその後の気持ちをサポートすることが大切と語っています。
そうすることで、その子なりに納得して安心感を抱く・・・そのような事例はたくさんあるそうです。
多方面から見守る環境を作る
子どもが成長すれば生活の基盤は家庭から学校などにうつっていきます。担任や養護の先生などと横のつながりをたくさん作り、多方面から見守る環境を整えることが大切だそうです。
がんの親とその子どもをケアするチームもある
慶応大学病院では医師や看護師などで構成された、がんとその子どもをケアするチームもあるのだとか。しかし、こうした取り組みをする病院はまだまだ少数。
親のがんの治療の中で、子どもの存在が過小評価されずにより認識されて支援が広がってほしい、と専門家は語っています。
がんになった親とその子どもをサポートするNPO法人「ホープツリー」では様々な情報を発信しているそうで、興味のある方は一度覗いてみてください。
NPO法人「ホープツリー」
https://hope-tree.jp/